理事 浦 聖治
会員の皆さま、映画「海難1890」の製作に当たっては、会員各位のご協力誠に有難うございました。おかげさまで、私たちの念願であったエルトゥールル号の物語と、イラン・イラク戦争時にテヘランの空港に取り残された日本人の物語が、感動の映画となって世に出されました。そしてエルトゥールル号の遭難事故から125年の節目にこの映画をリリース出来たことは、日本とトルコの友好の歴史に刻まれる重要なエポックとなりました。会員の皆様と共に喜びを分かち合いたいと思います。
NPOの映画化に向けての動きは串本町長からの依頼で始まり、和歌山市を中心として県内の各所の有志の方々が続々と集まりました。出資組合を作るとか寄付を募るとか色々な選択肢がある中で、最終的にNPOを作り会費から映画製作委員会に寄付をすることが決定されました。串本町の生まれということで、私がNPOの初代理事長に指名されました。大変名誉なことでありましたが、寄付金集めのための会員拡大はヒヤヒヤの連続でした。様々な難局に遭遇し、本当に映画製作まで辿り着けるかの心配が常に脳裏をよぎっていたからです。ともあれ時代の流れが後押しし、映画ができたことはこの上ない喜びです。
NPOの名前は、エルトゥールル号 ‘により作られた日本とトルコの絆’ が世界を救うという意味です。すなわち世界の親日国の中でも筆頭格であるトルコと日本の友好が世界平和に貢献するという目的を持ちます。今の世界情勢でトルコの政治・経済は大変な状況にあるようです。そのような中、映画作りの目的で始まったNPOに出来ることは日ト友好の小さな灯をともし続けることです。NPOとしては、冨田新理事長のもと、原点に帰って「海難1890」をより多くの人に観て頂くという活動を続けていくことではないかと思います。会員の皆様の暖かいご支援を宜しくお願いいたします。
理事 西廣 真治
世界では今でもなお、地球のどこかで戦争がおこっています。天災だけでなく、啀み合いの末、多くの人の命が奪われています。これから平和を実現するには、どうしたらよいのでしょうか。話し合いだけで解決はできるのでしょうか。
私は将来、日本とトルコの絆が世界平和を実現する大きな基軸になると確信しております。
史実が物語るように120数年前に起こったエルトゥールル号の遭難事件から今日まで両国の友情は切れることなく互いに困ったときには無償の愛で、助け合ってきました。イラン/イラク戦争中のテヘランでの日本人救出劇、トルコ地震被害への日本からの資金援助、また最近の日本列島を襲った大震災、水害など天災の際、真っ先に援助頂いたのはトルコであった。
「与えた恩は水に流し、受けた恩は岩に刻む」精神が、両国民の心にあります。
一方、隣国である中国、韓国、北朝鮮とは未だ解決し得ない歴史認識の不一致に振り回されてはいないだろうか。
このトルコと日本の精神を世界に伝えることで、多くの人類が救われ、恒久の平和が訪れることを信じております。そこで我々は映画という最も波及性のあるメディアで伝播できる機会を得ました。どうかこの史実の映画化に一人でも多くの人々のご賛同を願ってやみません。どうかよろしくお願い致します。
監事 島村 不二夫
人類社会が進歩し続けていると言う想いとは裏腹に、いろいろな場所の、あらゆる分野で、ますます混迷が深まり、問題が顕著化しています。それらに柔軟に対応するには、今までの常識は通用しなくなり、新しいスタンダードでのリセット、まさにパラダイムシフトが必要とされています。
そのために、わざわざ新しい価値基準を作る必要はなく、すでに先人達が大事にしていたにも関わらず、現代人が忘れてしまっている根本を、シンプルに想い出すことだけで充分ではないでしょうか…?
皆様ご存じの、120年前に和歌山県串本町の人々が行動で示した、困っている人には見返りは求めず無条件で援助の手を差し伸べるという、「惻隠」・想いやりの心もそのひとつです。
これは単に日本の「大和魂」だけの専売特許ではなくて、イランイラク戦争の時に「オスマン魂」を発揮して日本人の救援機を飛ばしてくれたトルコの人々の真心でもあります。
つまり、国籍を問わず誰もが人間として当たり前に持っているはずの大切な心を、世界中の人々に、もう一度想い出してもらうことが、即世界平和に直結するはずだと言う信念で我々のNPO法人を立ち上げました。
そしてその最初の具体的ステップとして、現在日本・トルコ両国支援のもと、企画進行中の映画製作がスムーズに進み、その映画が大ヒットすることを願って活動させていただいています。世界中の一人でも多くの方にこの映画をご覧いただき、その心を日々の生活の中で生かしていただければありがたいです。
皆様のご協力とサポートを、どうぞよろしくお願い申し上げます!!
∞の∞のありがとうございます。
島村様におかれましては、映画公開において多大なるご尽力を頂きましたが、平成27年10月18日にご逝去されました。
ここに感謝の意を表するとともに、心よりお悔やみを申し上げます。
特別顧問 沼田 凖一
私は1985年3月19日、テヘランでイラン・イラク戦争に巻き込まれ身動きが取れなくなっていた時トルコ航空に助けられました。その理由は、1890年に起こったこのエルトゥールル号の遭難事故で和歌山県串本町の人達の献身的な救助活動が礎となり、日本とトルコの友好の絆を育んでくれたからであった事を23年後に知りました。
今年3月設立した特定非営利活動法人「エルトゥールルが世界を救う」の活動は、「エルトゥールル号遭難事故」での日本人の献身的な救助活動、「テヘランからトルコ航空による日本人救出」でのトルコ人の無償の善意の映画「エルトゥールル」制作支援です。この映画はこの二つの史実と先人の偉業を日本中、世界中に伝えてくれるものです。
私は映画「エルトゥールル」の制作が実現する事を心から願っています。
特別顧問 向山精二
和歌山県海南市生まれ。企業経営者・アマチュア音楽家。これまでに大阪フィルハーモニー交響楽団、レニングラード国立オペラバレエ交響楽団などを指揮。「2010年トルコにおける日本年」に、トルコとの友情を描いた「友情」を贈呈し、翌年トルコで4公演を行う。