「海難1890」は第39回日本アカデミー賞で2部門の最優秀賞を受賞いたしました!これからも「特定非営利活動法人 エルトゥールルが世界を救う」は、トルコと日本の時空と民族を越えた相互協力の精神をテーマとした映画製作を通して、アジアから世界平和へのアピールを発信しています。

第2話 『テヘラン珍道中』

2011年08月30日 高星輝次

テヘランに着任して最初の1カ月は前任者との引き継ぎだった。急遽サービス派遣員を送り込むこととなったため、ガーナやサウジアラビアでの駐在経験のある私の先輩が最初の4か月を務めた。

前任者が帰国する日の朝、リビングのカーテンを開けると風景が一変していた。目の前にそびえるエルブルズ山脈が初冠雪していた。暑い砂漠の国をイメージしていたがここテヘランにおいては、サラサラの砂の砂漠もなく日本で言う工事現場の地面のような土漠が広がっており、日本の四季に近い季節の移り変わりもある。

イラン-イラク戦争も小康状態を続けており、このころの会社や家族への手紙には「テヘランに住んでいる限り、なにも不安な要素はなくここが本当に戦争中の国なんだろうかと思うくらいです」とことさら心配をかけないよう戦争の影響がないことを書いて送っていました。我々の自動車を売り込んで商談を進めてくれる商社の事務所の1部屋を借りての仕事であった。

イランの交通事情は日本人から見るとかなり特徴的で、車線のラインが書いてあっても誰も車線を守らない。赤信号で流れが止まると車線を無視して少しでも前に出ようとする。当然、車と車がぶつかりあう事など珍しくもない。

街を走っている車はみんなへこみ傷だらけである。傷の付いていない車を見たらそれは国民が恐れる革命中央委員会の車両だと思えと教えられた。車両の登録ナンバーの記号で政府の車かどうか判断がつくらしかった。

片側3車線も4車線もあり、私たちの目には無秩序に走っている様に見える車の列の中を歩行者が横断するのである。私はエンドユーザーの事務所を訪ねた時たびたびこの道の横断をしなくてはならなくなるのだが、最後まで慣れることはなかった。

商社の現地スタッフの方に腕を掴まれて「私と同じ歩調で歩いてください。立ち止まってはいけません」といわれるが何度やっても身のすくむ思いだった。あるときなどは本当に自分のつま先すれすれの所を自動車のタイヤが通過していったものです。

テヘランには日本人になじみの野菜なども多くその意味でも暮らしやすいところです。第1話で書いたアテネの駐在員などは、テヘランに来るたび白菜を買って帰るよう頼まれると言っていました。

大きなラグビーボールのようなスイカもあります。ペルシャ語でスイカは「ヘンダワネ」と言います。鶏は羽根を抜いただけで一匹単位で売っています。あるとき運転手と鶏を買いに行った時「おまえは足を食うか?」と聞かれました。「No」と答えると店主に足を切り取ってから計量するように言いました。

それを見て生真面目なイラン人の片りんを見た気がしました。 あるとき郊外の道路を走っていた時、通訳をしてくれていた男が「トイレット」と言って高速道路の路肩でおもむろにしゃがみこんだ。「えっ 大をするの?」と思いきや、この国では男性の立ちションはないようです。

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パーレビ通りのプラタナス並木と高星さん

こちらの記事は、トルコ・イタリア・ポルトガル雑貨のオンラインショップ「JUNPERIAL SHOP」様がホームページで掲載されている、『イラン・イラク戦争 奇跡の救出劇「~日本・トルコ友情物語~ -高星輝次さん編-」』から、店主のJUNKO様のご厚意により転載させていただいているものです。

人々の物語

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