2014年8月9日 高星輝次
2010年6月2日から5日までの4日間、和歌山県串本町で開催された「日本トルコ友好120周年記念事業」に参加させていただき、私達のテヘランからの救出劇に対して大きな区切りをつけた気持ちになっていました。
そんな中、6月17日、沼田さんからまたまた衝撃的なメールが入りました。2010年7月28日(水)東京港区のサントリーホールで「日本トルコ友情チャリティコンサート」というものが開催されることとなり、イラン戦友会には100席を割り当ててくれる。また戦友会の代表はステージで当時の様子を話して欲しいとのことでした。
主催はエルトゥールル号追悼記念コンサート実行委員会となっているが、中心的役割をはたしているのは向山さんという、和歌山県で会社を経営する社長さんらしいという情報でした。
向山さんは特に音楽を学んだわけではなく、ある時東京に出張にきていて帰りの新幹線から富士山を眺めていた時に、突然曲が浮かんできたという何とも神秘的な出来事から作曲を始めたアマチュア音楽家ということでした。作曲も指揮も向山さん自身がされるとのことでした。
日時:2010年7月28日(水)開場18:00 開演18:30 終了21:00
場所:東京港区赤坂1-13-1 サントリーホール
曲名:紀伊の国交響組曲第五楽章「友情」
その1:九死に一生(映像付) その2:エルトゥールル号の軌跡
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:あわしま合唱団
主催:エルトゥールル号追悼記念コンサート実行委員会
後援:駐日トルコ共和国大使館、トルコ航空、トルコ海軍、ライオンズクラブ国際協会、メルシン市、アンカラ市、イスタンブール市
というそうそうたるイベントである。
イラン戦友会に声をかけ、会社の同僚・友人・知人に声をかけ、たくさんの方に来ていただきました。 その1の演奏が終わったところで、沼田さんと私がステージに上がり当時の話をさせていただきました。
3月12日未明のテヘラン空襲、私のアパートのわずか200mほどのところに着弾して、日干し煉瓦作りの建物は木端微塵に崩れ去ったこと。その日から始まったホテルの地下室住まい、そして毎夜の空襲警報と対空砲火の光と大音響。
我々日本人を乗せてくれる外国の航空会社はなく途方に暮れる数日。そして「明日トルコエアーが載せてくれる」という情報を聞いた時の喜び、そしてこの救出劇の裏にはさかのぼること90年前のエルトゥールル号遭難と和歌山串本(樫野)の人達の救助活動・・・・
話していると胸が熱くなります。今の自分がここにあるのもたくさんの人に助けられて今があるのだと思い知らされる出来事でした。
コンサートの最後に、9月にトルコ メルシン・アンカラ・イスタンブールで開催される「日本トルコ友情チャリティコンサート」に招待される抽選会がありました。(コンサートを後援している、トルコエアーのプレゼントだったと思います)私はなぜかこのとき「私に当たる」と直感めいたものがひらめきました。そして抽選会・・ 残念ながら幸運の女神は私の方をみて微笑まなかったようです。
さあこれで私の日本トルコ友好120周年はいよいよ終了しました。
6月の串本町での記念事業への参加、そして今回のチャリティコンサート、とても良い体験をさせていただきました。またたくさんの人と知り合いになることができました。
今回の一連のイベントに携わっている人たちを見ていると、本当のプロという人達ではなくて、それでもなみなみならない情熱をもって、誰かがやってくれるのを待つのではなくて仲間を集めて自分たちがやるというバイタリティあふれる人達ばかりでした。そんな人たちのと出会いも大変貴重な財産になりました。
こちらの記事は、トルコ・イタリア・ポルトガル雑貨のオンラインショップ「