2023年2月6日に発生したトルコ地震の被災者支援のため、義援金を受け付けています。義援金は駐日トルコ共和国大使館(東京)を通じて全額を寄付いたします。

第24話 『トルコ エルドアン首相と面会』

2016年8月22日 高星輝次

 2012年6月には和歌山県の企業経営者を中心として立ち上げた「NPO法人 エルトゥールルが世界を救う」が結成されました。当面の活動はエルトゥールル号の事件の映画化を支援し、この「ええはなし」を世界に広めていこうというものです。 以下はNPO法人浦会長のHPでのご挨拶分(発足主意書といえると思います)
 
「私共「特定非営利活動法人 エルトゥールルが世界を救う」は世界平和に寄与することを目的として、2012年6月に和歌山市にて設立されました。

1890年9月、トルコ海軍軍艦エルトゥールル号が和歌山県串本沖で遭難。このとき大島島民が生存者を決死で救出し手厚い看護をしました。これが日本とトルコの友好関係の始まりになっています。
そして1985年、イラン・イラク戦争真っ只中、テヘランの空港に取り残された日本人を土壇場でトルコ航空機が救出してくれました。これら2つのエピソードは時空と民族を超えた相互協力の精神を物語っています。

当法人はこれら2つの物語をより多くの人に知ってもらうことにより、次の2つの観点から世界平和に貢献しようと考えます。
(1) 人々の心に連帯と平和への想いを醸成する
(2) 日本国とトルコ共和国の友好を育み、アジアから世界平和に資する

さてこれらの素晴らしいエピソードですが、映画化することにより周知活動が加速します。現在トルコと日本が共同で映画化するプロジェクトが進行しております。当法人としましても、映画化を実現すべく協力することになっております。

是非とも当NPOの会員に名を連ねてください。エルトゥールル号を基点とする世界平和を一緒に実現しましょう。会員になるには生涯会費を1回だけ納入して戴くだけです。ご自分のご都合にあわせ、生涯会費の金額を決めてください。

「特定非営利活動法人 エルトゥールルが世界を救う」の趣旨をご理解いただきと会員として名を連ねて頂きますよう切にお願い申しあげる次第でございます。日本から、そしてアジアから世界平和を発信していきましょう。」

このNPO法人に沼田さんが入会し特別顧問になられました。私も沼田さんに紹介されて、2013年2月に入会させていただきました。(そんなご縁もあり、この拙い文章をNPO法人のHPに掲載していただくことにもなりました)

 そして2013年の12月、いつもサプライズは沼田さんからもたらされます。
沼田さんから電話が入り、2014年1月早々にトルコのエルドアン首相(2016年現在大統領)が来日されるが、その時に、1985年トルコエアーによってテヘランから救出された日本人(沼田さん 高星)と首相が面会できるようにと駐日トルコ大使と、元伊藤忠商事イスタンブール支店長だった森永さんが首相のスケジュール調整をしているというのです。
 1月6日夕方、1890年エルトゥールル号遭難の時救助活動を行った方たちの関係者(末裔)の皆様、 そしてテヘランでトルコエアーによって救出された我々、友好関係にある下関市長と面会をするという方向で調整が進められて行きました。
 12月16日スケジュール調整が難航しているようで、我々の首相との面会はいったん白紙に戻されました。 12月27日なって再び1月7日夕方で面会の時間が確保できるとの情報が入りました。
 急きょ履歴書をトルコ首相府に送る必要が生じ、履歴書を作成して送付しました。
 1月2日になって、正式に1月7日14:30~15:30で帝国ホテルで面会が行われることが決定したことの連絡を受けました。 出席者は、イスタンブール市と姉妹友好都市の下関市長、沼田さん、ワンの地震のあと、救助活動中に余震に会い命を落とされた宮崎さんのお母様、国会議員の二階俊博氏、世耕弘成氏、今回のお世話をいただいた森永氏。そこに沼田さんと高星が参加させていただくこととなりました。
 一国の首相に会うすごい出来事に緊張もし、服装は? 通訳はいるの?などいろいろ心配しながら、それでもめったにできない体験に心を躍らせていました。
 当日は面会の1時間前に、帝国ホテルで沼田さんと待ち合わせをして14:30のサクラホールでの面会を待ちました。 会場に案内されると、トルコ国営放送、NHKなどTV局、マスコミのカメラがずらりと並んでいました。
 そして面会をしていただく側の顔ぶれがそろった時、エルドアン首相が駐日トルコ大使の案内で会場の部屋に入って来られました。 参加者一人一人と言葉を交わしにこやかにしておられました。私達も「1985年トルコエアーによって助けていただいた者です。本当にありがとうございました」。と言葉にしました。 エルドアン首相は、駐日大使にの声明にうなずいておられました。

 式典の中でエルドアン首相は、日本との友好関係を語る中で、「1985年にテヘランの日本人たちを救出することができたのは、お互いのために大変有意義なことであった。」と述べられていた。
 国会議員の方のあいさつや、田嶋串本町長からの名誉町民のキーの授与などが行われた。

 テヘランから救助していただいた者を代表して沼田さんが挨拶をしました。
「私は、1985年トルコ政府が日本人救出のために派遣してくださったトルコ航空機で、テヘランから215人の日本人の一人として助けていただきました。
 ですから私にとりましては、トルコは命の恩人です。私はこの事実を多くの日本人に知ってもらい、後世まで語り継がれていくようにしたいと思って、色々活動をさせてもらっています。その一つとして映画「エルトゥールル」制作支援のために2012年に結成されたNPO法人「エルトゥールルが世界を救う」にも協力させていただいています。それと私は長い間自動車会社で、自動車用プレス部品の金型の設計・製作の技術者として仕事をしていましたので、この経験を生かして、トルコに役立ちたいと考えています。このことに付いては、駐日トルコ共和国大使館のムサ・デミール一等商務参事官に相談に乗っていただける事になっています。是非実現したいと考えています。」

 最後に、エルドアン首相から参加者に記念品が、首相自らが一人一人にプレゼントされました。 皆様が、エルドアン首相の席の方に行ってプレゼントをいただく中、 ご高齢の宮崎さんのお母様に対しては、首相自らが歩み寄っていってプレゼントを渡している心づかいが印象的でした。

 一国の首相にお会いして、握手ができるそんな幸福な一日でした。
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こちらの記事は、トルコ・イタリア・ポルトガル雑貨のオンラインショップ「JUNPERIAL SHOP」様がホームページで掲載されている、『イラン・イラク戦争 奇跡の救出劇「~日本・トルコ友情物語~ -高星輝次さん編-」』から、店主のJUNKO様のご厚意により転載させていただいているものです。

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