「海難1890」は第39回日本アカデミー賞で2部門の最優秀賞を受賞いたしました!これからも「特定非営利活動法人 エルトゥールルが世界を救う」は、トルコと日本の時空と民族を越えた相互協力の精神をテーマとした映画製作を通して、アジアから世界平和へのアピールを発信しています。

第16話 『日本トルコ友好120周年 アタチュルク像除幕式』

2014年1月26日 高星輝次

2010年6月3日午前は、エルトゥールル号殉難将士洋上追悼式典に参列させていただきました。120年前にエルトゥールル号が遭難した現場を見て、海上自衛隊海将武田様の「昭和60年(1985年)3月のイラン・イラク戦争の開戦に伴う、邦人215名のトルコ航空機によるイランからの救出などは、100年来の貴国のわが国に対する深い思いを物語る証左でもあります。」という追悼の言葉を聞いた時はもう涙をこらえられませんでした。

しかし考えてみれば、いくら悲惨な海難事故だったとはいえ、120年も前の出来事であります。その追悼式典でボロボロと涙を流している中年男性二人(沼田さんと私)の姿は、他の人にはきっと奇異な光景に見えたのではないでしょうか。

11時に洋上追悼式から港に戻ってきました。陸に上がって冷めやらぬ興奮を鎮めながら地元の美味しい魚のお寿司をいただきました。そして予約しておいたレンンタカーを借りて、潮岬灯台を見学し、午後のアタチュルク像除幕式そしてエルトゥールル号殉難将士陸上追悼式に参列します。

潮岬灯台は私にとっては台風接近の時のテレビのニュースの中継場所という印象です。それだけ台風接近時は本州最南端の太平洋に突き出たこの地の荒れ方はすごいということでしょう。

レンタカーでくしもと大橋を渡り、紀伊大島に進んでいきます。樫野崎灯台の少し手前の特設駐車場に車を止めて徒歩で式典会場へ向かいました。

会場の手前に「トルコ記念館」があり入ってみました。トルコ記念館の屋上には、眼下の海の写真のパネルがありエルトゥールル号の遭難現場がマーキングされています。本当に陸地と眼と鼻の先で遭難したのです。

いくら荒れ狂った海とは言え、そこは勇敢な海の男たち。遭難が昼間だったらもっともっと多くの人が助かったのではと思われました。後で教えられたことですが、エルトゥールル号は浸水により機関が水蒸気爆発を起こしたとのこと、一瞬にして沈没して行ったのでしょうか。

トルコ記念館の見学を終え、アタチュルク像の除幕式会場に向かいます。トルコ建国の父と言われるケマル アタチュルク(1881~1938)はトルコの初代大統領です。

アタチュルクの像は、新潟柏崎市に1996年柏崎トルコ文化村を開園させた時にトルコ本国から贈られたものです。高さは4.2m 重さは4トンと言われています。ところが柏崎トルコ文化村は2001年メインバンクの破たんなどにより資金繰りが苦しくなり閉園に追い込まれました。

2002年には柏崎市が取得し、別の民間企業に貸し付けを行い2002年7月に再オープンしたものの、2004年11月には2回目の閉園に追い込まれた。その後施設は再度売却され結婚式場として営業を開始したようですが、2007年7月16日の新潟中越沖地震に見舞われ、像が載せられていた台座にも被害が及び危険であるとの状況から台座からはずされたようです。

その保管状況などをめぐりいろいろ物議をかもした経緯もあるようですが、その内容についてここで語るつもりはありません。ネット上で検索する限り、色々な立場、価値観の方がそれぞれ色々な(全く相反する意見を含め)意見を述べられています。仮に事実は一つとしても、それぞれの主観でとらえた場合その反応はこれだけ変わるということだと思います。

その後、新たな設置場所を求める草の根の署名活動などもあり、またトルコ大使館も時の所有者に対して像の寄贈を求め、串本町への移設を申し入れされた経緯もあるようです。

串本町は町議会で串本への受け入れを決定し、これに対し日本財団が全面的に協力して、今回の移設となったようです。像はいったん東京に運び、修復作業の後串本町の紀伊大島の地に設置されたようです。日本財団のホームページによると、高速道路を使っての輸送は許可が下りず、交通量の少なくなる深夜に一般道路を使って輸送されたようです。

像は、樫野崎灯台とトルコ軍艦遭難者慰霊碑の中間地点の見晴らしの良い公園の中にエルトゥールル号の遭難現場の方に向かって建てられています。その姿は、エルトゥールル号の殉難将兵たちの魂にも響いているような思いがしてなりません。

アタチュルク像の除幕式は、洋上追悼式典に続いて寛仁親王殿下、彬子女王殿下を始め、日本財団の笹川会長、和歌山県、串本町の関係者など多くの人たちが集まり開催されました。除幕までは真っ白な布(絹?)で台座を含めると6mほどある像全体が覆われて、快晴の真っ青な空の下で、初夏の風にはためいていました。

とても美しいコントラストでした。除幕の紐を引いていたのは、トルコ共和国全権大使、この像の制作者、日本財団笹川会長、和歌山県知事、串本町長の5人だったとお見受けしました。

除幕のあと関係者の挨拶があり、その後トルコ軍楽隊の演奏が始まりました。初めて生で見るトルコ軍楽隊の演奏にも圧倒されました。

アタチュルクの像は色々紆余曲折がありましたが、実に納まるべき所に納まったという感じがいたしました。

さあ、次はトルコ軍艦遭難者慰霊碑前での、陸上追悼式典です。そばにオスマンコナックというトルコ料理のお店があるので、トルコの伸びるアイスクリームをいただいて会場に向かいました。

アタチュルク像除幕の瞬間

アタチュルク像除幕の瞬間

こちらの記事は、トルコ・イタリア・ポルトガル雑貨のオンラインショップ「JUNPERIAL SHOP」様がホームページで掲載されている、『イラン・イラク戦争 奇跡の救出劇「~日本・トルコ友情物語~ -高星輝次さん編-」』から、店主のJUNKO様のご厚意により転載させていただいているものです。

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