2012年6月30日 沼田凖一
在日トルコ共和国大使館から帰って、早速インターネットでトルコ北西部大震災被害の復興支援をしている団体を検索しましたところ、2つの団体が見つかりました。その中で私の目を引いたのは、兵庫県国際交流協会でした。早速連絡を取り活動内容を聞きました。そして、この協会は大震災で遺児や孤児になった子供を日本に招いて、1995年の阪神淡路大震災で被災した子供たちや同県の子供達と交流させているという事でした。
この活動ならトルコ人に直接支援が出来るかも知れない、そう思ってその活動に寄付が出来るかどうか聞いたところ、寄付を受け付けるとの事でした。早速、寄付手続きをお願いしました。これまでの所、何から何まで順調そのものでした。日本とトルコの友好に関わっている人達は本当に親切で、私がこれ迄に出会った多くの人達とは何処か違う人達の様に感じました。
これ迄の私は、いわゆる企業戦士と言われる、何が何でも仕事で成果を上げなければならない企業人でした。その目的を達成する為に大変多くの人達と関わって来ましたが、何時も周りの人達に負けない様に気を張り詰めて接して来た様に思います。でもこれからはそんな壁は必要ない、ありのままの自分で接して行けば良いのだと云う気持ちになり本当に嬉しくなりました。
1999年9月16日トルコ北西部を襲った巨大地震は未曾有の被害を与えました。その被害者の多くは財産の全てを失ったり、家族が散々になったり、両親を失った遺児や孤児になってしまいました。この震災に対しては、世界各国から義損金が集まり復興や生活支援が行われました。しかし、両親を失った子供達にはそれだけでは十分では無い事は言うまでも有りません。心のケア―は絶対必要な事なのです。
兵庫県国際交流協会はそこに重点を置いた活動をしているのです。この活動に自分が少しでも関わる事が出来たらという思いから「ひょうごトルコ友愛基金」に些少ですが寄付をさせて頂く事にしました。この遺児や孤児になったトルコの子供達を日本に招いて、交流する活動は隔年で行われていて、幸いこの年が丁度交流が行われる年で有ったのです。
活動は兵庫県国際交流協会の細心の心使いで作られたプログラムで実施され大きな成果を上げて終了しました。交流会が行われた後すぐに協会から活動の状況を協会機関紙で知らせて下さいました。何と子供達の明るい笑顔でしょうか。素晴らしい活動だなあと、つくづく実感した瞬間でした。
その後もあの笑顔を見られる事を思い描きながら寄付をさせて頂いています。あの子たちが大きくなってトルコと日本の友好の絆を更に強いものにしてくれる事でしょう。そして、何時の日にか、私と同じ様にトルコ人に助けられる日本人がいるかも知れない、日本人に助けられるトルコの人がいるかも知れない、と思いながら。